農薬・化学肥料について

化学肥料の誤解

 

この世には表と裏があるように、宇宙に陰と陽があるように、拳に北斗と南斗があるように(北斗の拳が好きなもので)、物質はプラスとマイナスがあります。 (もちろん単体の物質もありますが)

たとえば食塩。

正式名称は塩化ナトリウムですが教科書にものってる代表的なつくりかた。

HCL(塩酸)+NaOH(水酸化ナトリウム)→NaCL(塩化ナトリウム)+H2O(水)

 

塩酸(強酸)も水酸化ナトリウム(強アルカリ)も素手で触ることはごめんですが、この2つをあわせると中和反応が起こり無害な塩化ナトリウム(食塩)ができます。

まぁこれでできた食塩を食べたくはないですけどね。

(この「食べたくない」という心理は後で重要なので覚えておいてください)

 

化学肥料もプラスとマイナスの化合物です。

 

ここで代表的な化学肥料「硫安」を紹介します。

お米を作るときによく使われる「肥料」です。

 

硫安は化学式で書くと

(NH4)2SO4です。

(数字は本来は小さく書きますが、パソコンでどう小さく表示できるのかわかりません。誰か教えてください)

つくり方で一番簡単な合成硫安。

H2SO4(硫酸)+アンモニア→(NH4)2SO4+H2O

 

この硫安は近くのホームセンターなどでも1000円くらいで売っています。で、袋にこう書いてあります。

N成分は約21%

 

これはN(窒素)が21%入っているということです。

ここで元素の周期表を見てみましょう。(化学の教科書の見開きのページにたいがい載っています)

 

原子量というのがあります。簡単に言うと元素の重さです。

Hは約1、Nは14、Oは16、Sは32。つまり硫安は原子量合計132。

うちN(窒素)は2つあるので14×2で28。計算すると約21%。

つまりそれ以外の物質はほとんど入ってないということです。

 

よく化学肥料で作った作物は人間の体に悪いという説がありますが、これは全く間違っています。ご覧の通り硫安はほとんど純度100%。砒素や鉛など人間に害をなす物質は全く入っていません。

 

ではなぜ「化学肥料で作られた野菜は人間の体に悪い」と信じられているのか?

これこそ最初の食塩の説明で書いた

「合成食塩は食べたくない」

という心理的な問題だけなのです。

 

それでも「硝酸態窒素」の問題がある!という方もおられるでしょう。

確かによく知られた話で「硝酸態窒素」は体内でたんぱく質と結合して「ニトロソアミン」という発がん性物質を作るといわれています。また、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンを酸化させ酸素を運ぶ能力を低下させ、中毒症状を起こすともいわれています。(これについては異説もある)

 

しかしそれは化学肥料で作った野菜だけにおこることではありません。原因は肥料のやりすぎによるものです。ですので有機肥料でも肥料をやりすぎれば同様の問題が生じます。

完全に作る人の技術的な問題です。

 

むしろ化学肥料は肥料成分が完全に把握でき、過不足なく作物に与えることができます。有機肥料の場合はその年に溶け出す肥料は全体の何%なのか。前年に与えた肥料から溶ける分など考えると非常に把握するのは困難です。  

 

 

 

 

ここまで書くと小泉農園は化学肥料信奉者だと思われるでしょうが、そういうことではありません。化学肥料もいろいろな問題があります。

 

まずはC/N比。これは窒素と炭素の比率です。土壌中のC/N比の適正値がありますが、化学肥料はC/N比がゼロなので(正確には分母の炭素がゼロなので・・分母がゼロはありえないので・・数学的にはどうなるんでしたっけ?)化学肥料を入れ続けると土壌中のC/N比がどんどん下がり、これは病害虫の発生を助長します。

 

また、先ほどの硫安はプラスのほうのアンモニウムイオン(NH4+)は肥料として作物に吸収されますが、マイナスの硫酸イオン(SO4)は水田だと水中にぷよぷよ浮かんでいて作物に吸収されません。(香り米は硫黄(S)が少し必要)

大雨が降ると水田からあふれ、硫酸イオン(酸性)が川にそして海に流れ出し汚染するということになります。

まぁこれは回りまわって人間に悪影響を及ぼすということから、

「やっぱり化学肥料は人体に害をなすじゃないか!」

と言われれば「そうっすね」と認めざるを得ません。

 

 

われわれ小泉農園はトマトに関しては基本的に90%は有機肥料で、サプリメント的に化学肥料を使うというバランスを考え使用しています。また化学肥料を使用するときもプラスもマイナスの物質も肥料になるものを選んでいます。

(例 ケイ酸カリ・重炭酸カリ など)